長距離走で３０００ｍを８分代で走れる選手の練習手段
第１回全国中学駅伝大会で男女とも準優勝させた
元千葉・白山中の杉森監督（昨年１０月より京セラのコーチに就任）の
指導方法。
彼は短距離の２００ｍランナーを育てることをヒントに
中学生の駅伝選手に応用した。
２０００ｍ×４〜５本 休息は１５分〜２０分
３０００ｍを９分３０秒で走らせたいと思ったら
２０００ｍを６分２０秒で２本が走りきれる必要がある。
１本では９分４０秒の選手と言うことになる。
１０００ｍのスピードは短距離で言う最大スピードである。
２０００ｍのスピードはスピード持続の能力である。
スピード持続力は筋肉に乳酸をためた状態で鍛える必要がある。
中学生が１０００ｍを３分００秒のスピードで３０００ｍを
走り切るには、筋肉を鍛える必要がある。
次は１週間の練習内容の紹介
スピード練習を中心とした内容である。
Ａチーム３０００ｍ９分３０秒の選手 Ｂチーム１０分３０秒
月曜日 ねらいはスピード持続力の養成
@４０００ｍ〜６０００ｍジョック
A体操とストレッチ
B２０００ｍ×４本 休息１５分 タイム設定Ａ６分４０秒 Ｂ７分２０秒
C１５０ｍ〜２００ｍ流し×５本
D２０００ｍジョック＋ストレッチ
火曜日 ねらいはさらにスピードアップしたスピード持続力の養成
@４０００ｍジョック＋ストレッチ
A２０００ｍ×３本 休息２０分 タイム設定A６分３０秒 Ｂ７分１０秒
B１５０ｍ流し×５本
C腹筋・背筋×３セット（５０回またはシャフト５ｋｇ１０回）
D２０００ｍジョック＋ストレッチ
水曜日 ねらいは積極的休養
@６０００ｍ〜８０００ｍジョック
A体操とストレッチ
Bマッサージ
木曜日 ねらいはスピード持続力と最大スピードの養成
@４０００ｍジョック＋ストレッチ
A２０００ｍ×２＋１０００ｍ×１ タイム設定Ａ６分２０秒 Ｂ７分００秒
B腹筋・背筋×３（５０回又はシャフト５ｋｇ１０回）
C体操・ストレッチ
金曜日 ねらいは最大スピードの養成
@４０００ｍジョック＋ストレッチ
A２０００ｍ×１＋１０００ｍ×２ タイム設定Ａ６分００秒 Ｂ６分４０秒
B１５０ｍ流し×５本
C体操・ストレッチ
土曜日 ねらいは心肺機能を高め、上体の筋力を強化する
@４０００ｍジョック＋ストレッチ
A１０ｋｍジョック又は野外走１時間３０分
B１５０ｍ流し×５本
C鉄棒懸垂＋腹筋・背筋
D体操・ストレッチ
Eマッサージ
日曜日 ねらいは積極的休養
@６０００ｍジョック
A体操・ストレッチ
この練習はかなり筋肉を疲労させる練習手段であり、１週間行った場合
次の週はジョックを中心とした、心肺機能を高めるトレーニングを
行うべきである。
２週間続けると必ず故障すると考えるべきである。
スピードをつけようと思って１０００ｍのインターバルを
たくさんやっても、３０００ｍの記録アップにはすぐに結びつかない。
１０００ｍのスピードはつくが、そのスピードで２０００ｍを走りきることは
別の要素である。
つまり、１０００ｍのスピード養成は２０００ｍを走りきれる
スピード養成の手段となる。
そして２０００ｍのスピードはすぐに３０００ｍの記録アップにつながる。
１０００ｍインターバルトレーニング
１０００ｍ×５本（休息２分３０秒） これは、３０００ｍを走りきれるスピード養成がねらい。
目標タイムを設定してイーブンのペースで行う。
つまり ３分２０秒で休息２分３０秒で５本走り切れれば３０００ｍで１０分の実力。
４本では１０分０５秒の実力。
３本では１０分１０秒という関連性がある。
インターバルトレーニングなので仕上げの時期に全力でやる。
この方法は、全国駅伝第２回大会で４位入賞した
鎌ヶ谷第５中学校の小林監督のスピードトレーニング。
この方法は２０００ｍのトレーニングより難しい。
特に休息時間が短いので、中学生にとっては精神的負担が大きい。
１０００ｍレペーテーション
２０００ｍのスピードアップをねらう。
２０００ｍ＋１０００ｍ×２本の練習。
この１０００ｍは全力疾走。
２０００ｍ×３本のペース目標を上げるために行う１０００ｍの練習。
休息は１０分から１５分でのレペ。
何をねらっていくかによって、同じ１０００ｍのトレーニングでも
まったく方法が違います。
長距離選手の必要な体力は、大きく分類すると
心肺機能・スピード持続力・最大スピード
トレーニング手段を大きく分類すると
ロングジョック・ペース走・ビルドアップ・クロスカントリー類。
レペテーション・インターバル等。
私の長距離観は以下のようなものです。
@心肺機能を高めるには９０分から２時間のロングジョックをおこなう。
A次に６０００ｍから８０００ｍのビルドアップでレースの基礎スピードを養う。
B身体全体の体力を養成するために、アップダウンのあるクロスカントリーを行う。
Cレーススピードを身につけるために２０００ｍ×３本のレペテーションを行う。
D腹筋・背筋・懸垂等の筋力トレーニングは１日置きに行う。
E二日練習一日マッサージの３日で１セットの内容を考える。
この練習手段を時期によって、ねらいに応じたトレーニング計画を
立てて行う。